前回は「イクボスとは」についてご説明しました。
今回は「イクボスの効果」についてお伝えします。
1.アンコンシャスバイアスに向き合う
イクボスの推進がうまくいかない要因の一つに、アンコンシャスバイアスというものがあります。アンコンシャスバイアスは、無意識の偏見や思い込み、偏ったものの見方を通じた自分なりの解釈のことをいいます。
例えば、「これは簡単だろう」、「これは難しいだろう」「私には関係がない」「どうせ無理」などという解釈です。
アンコンシャスバイアスは、馴染みのない言葉なので関係がないように思われるかもしれませんが、実はあらゆる場面で存在しています。イクボスは、このアンコンシャスバイアスについて理解し、いかなる時にもバイアスが働いている可能性を考慮しながらコミュ
ニケーションを取ることが求められます。
2.イクボスの効果
難しいことも多いイクボスの理解ですが、イクボスが増えること、一人一人がイクボス化していくことは様々な効果が期待できます。
仕事能力が向上
様々な対応を次々に求められる育児は総合的な能力が必要な活動であり、育児や地域活動への積極的な参加によって身につくものは、仕事にも活かされます。
それは
・視野の広さ
・時間配分の効率化
・段取りの良さ
・対話力
・運営力
・観察力
など多岐に渡り、加えて、新たな人脈拡大に繋がる、思わぬ得意分野が見つかるといった可能性もあります。また、家庭が安定していれば、より集中して仕事に打ち込めることも期待できます。
組織力が高まる
私生活が尊重されれば仕事に対する部下のモチベーションが上がり、そうした対応をする上司には信頼が集まります。また、いつ誰かが休んでも円滑に業務が進むように情報共有がより徹底され、チームワークも向上します。こうした柔軟な組織形態は多様な価値観に開かれ、優秀な女性や若手社員が集まりやすいので、業績にも好影響が見込めます。
これからの働き方は100人いれば100通りです。誰一人取り残さない組織を作っていくために、イクボスという考え方を皆さんに知っていただければと思います。
理事長 桜井一宇さん
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とよなかイクボスプロジェクトNo.4より引用
令和4年(2022年)2月発行